コワーキングスペースで図書館を創って運営するまでをつづったストーリーシリーズ第2弾。

前回のお話では、Impact Hub Kyotoで空いた本棚を使って新たに図書館を創ることになった経緯をお話ししました。今回のお話では、プロジェクトを創るときに直面した問題をどう乗り越えたかをお話しします。

システムを構築する

議論の結果、「本はISBNコードによって管理されているため、そのデータベースにアクセスできれば効率化につながる」と私達は考えました。

その用途にあうソフトウェアを検討したところ、Next-Lというオープンシェアソフトウェア(OSS)が最も目的に合うソフトだと考えました。

ISBNコードとは本を11冊識別するために登録されている国際規格の数字のことで、通常は本にバーコードとして印刷されています。

法律上、書店から出版されている本はこのISBNコードを登録する決まりになっているため、ISBNコードを読み取ることが出来れば、本がどれだけたくさんあっても、直ぐに調べられて手間が省けるわけです。

Next-LはそのISBNコードのデータベースにアクセスすることで、バーコードからデータを読み込んだり、利用者を管理できるシステムでした。実際の図書館でも導入実績のあるソフトウェアでありながら導入も難しくないため、私達の目的に合致したソフトウェアと考えられました。

たまたま、私がプロジェクトに巻き込んだスタッフが司書業務に詳しくオープンソースソフトウェア(OSS)で図書館を管理出来るシステムがあると教えてくれたことからNext-Lの存在を知ることができたのです。私達は即時、導入を行いHub Kyoto Open Libraryの中核を担う図書館システムとして用いることにしました。

オープンソースソフトウェアとしては珍しく国産のソフトで最初から日本語に対応していたことも導入の助けとなりました。マニュアルも日本語だったため、操作方法の習得も簡単だったことも良い点でした。

バーコードリーダーの導入も滞りなく進みました。最近のネット通販はスゴイと実感します。

Next-Lでの本の登録はバーコードリーダーで、本のISBNコードを「ピッ」とスキャンすることで出来ます。この方法へと切り替わったことで、エクセルに入力する方法に比べて倍以上の効率へと跳ね上がりました。これまでとサクサク進む作業はとても楽しく感じるました。

しかし、「ピッピッピッ」とスキャン作業を続けていると、またも問題が発生します。ISBNコードがバーコードとして印刷されていない本が何冊も見つかり、更にはISBNコードすら記載されていない本も見つかりました。

これではバーコードをスキャンしてシステムに本の情報を登録できません。手動で登録する方法も考えられましたが、実際に業務として行う上では非効率な作業になることは明白でした。

何故、本によってISBNコードがなかったりするのかというと、そもそもISBNコードを利用し始めたのは1981年ごろで、それ以前に出版された本にはISBNコードが存在しないということが分かりました。

ISBNコードが書かれていない本を図書館システムで管理するなら、私達の手で新しくバーコードを発行して本に貼り付けなくてはならないことも分かりました。

本を貸し出すためにも利用者カードを作る必要があります。利用者と貸し出しカードの情報を紐づけるには何らかのID番号を用意する必要があります。それにはバーコードによる紐づけが良いと考えられました。

つまり、古い本の情報を入力管理する方法に加えて、効率的に利用者へ本を貸し出すためにもバーコードを私達の手で自作して管理する必要があったのです。

​貸出カードを作る

現在動いている図書館では「NW-7」と呼ばれるバーコードの形式を使って、本の管理と利用者の管理を行っています。

このNW-7形式のバーコードは仕組みが単純で、それ故に多用途に使えるモノです。

このNW-7バーコードが持つ大きな特徴として、設定された数字が、そのままバーコードで読み取れる点があります。

一般的にお店などで商品管理に利用されるJANコードではチェックデジットと呼ばれる数字が自動的に付け加えられ、入力した数字が読み取った時に変化してしまう点や、数字の桁数が固定されてしまう点などから、Hub Kyoto Open Libraryの求める用途には向いていません。

公共図書館でもらえる貸出カードにも、このNW-7バーコードが採用されています。

幸い、ネームプリントでおなじみのテプラや表計算ソフトのエクセルでNW-7コードが簡単に発行できるため、この問題は直ぐ解決できました。

出来上がったバーコードシールとラミネータ―を駆使することで耐久性と見た目を両立させ、名刺サイズを意識した大きさにすることで持ち運びやすい貸出カードが出来上がりました。

プリンターと裁断機を用いればたくさん作れるため、今後利用者の増加に対してもカードが十分に用意できます。煩雑な手順をなるべく廃しスタッフにとっても運用しやすい仕組みが出来あがり、いよいよ図書館の公開が目前に成りつつありました。

しかし、1月の初旬。あらかた本をデータベースへと入力し終わったタイミングで、私達の目の前にさらなる困難が立ちふさがりました。

次回へ続く

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