アジア太平洋起業家育成プログラム(AMP)
――インパクトハブタイワンが5回目の地域セッションを主催
インパクトハブは、世界50以上の国、100以上の都市に拠点を持ち、社会的インパクトをもたらすことを目指す起(企)業家が集まるコーワーキングスペース・コミュニティです。
その中で、アジア太平洋の10のインパクトハブ(京都、ダッカ、クアラルンプール、上海、台北、プノンペン、マニラ、ワイカト、ジャカルタ、ヤンゴン)が共同して、2021年7月より、起業家育成プログラム“Accelerate Membership”を、Bank of America/Shopifyとの連携で、提供しています。参加起業家は、アジア太平洋10か国で100名を数えます。
プログラムの詳細はこちらから。
Impact Hub Asia Pacific Accelerate Membership
第5回地域セッション(Regional Session)
発表者: Freya Wu, Rosetta.ai (企画:Impact Hub Taipei)
2021年10月6日
今回は、コロナの影響を受けた新しい日常とビジネス開発についてのセッションでした。
企画はインパクトハブ台北で、発表者はRosetta.aiのWork Experience ManagerのFreya Wu氏です。
アイスブレイクとして司会のインパクトハブ台北のOliver Chang氏が参加者に「新しい日常はあなたにどう感じさせているのか」という質問をなげ、Menti.comというオンラインツールを使い参加者の答えを可視化しました。
以下の画像のように、やはり不安、孤独感を感じている人が多い一方、新しい日常はもう「普通」、「快適」と書いた人もいて、「希望を感じる」、「クール」と、前向きに考えている人もいました。
そのあとFreya Wu氏にバトンタッチし、発表が始まりました。Wu氏は台湾のスタートアップで働いた経験を踏まえ、現在はRosetta.aiというEコマース会社のWork Experience Manager(職場環境マネージャー)としてつとめています。幅広くの趣味をもっており、現在は自分のポッドキャストも作っているそうです。
新しい日常におけるビジネス開発について、Wu氏はまずKey Learning(基本の学び)とMindset(マインドセット、考え方)について語りました。
まず、変化が起きて、まず自分がどう反応するかを把握することが重要です。
変化を受けて、主に三つの対応があります。
- ピボットする
- 追いかける
- 支援する
会社として、コロナウィルスの対応として、ウェブサイトにコロナウィルスの対策を明確にのせることが基本となっています。これも、コロナウィルスに対応する一つの方法です。お客さんとの信頼関係のために大事なことです。
次に台湾のスタートアップの対応を紹介しました。
Ticoは、2016年に作られたメッセンジャーアプリの会社です。
コロナウィルスをピボットの機会としてとらえ、ビデオコールアプリを作りました。一か月でユーザーが120か国に増え、それによってWondercallという新しいビジネスモデルを作りました。
25sproutはSurveyCakeというカスタマー行動を分析するためのツールを作りました。このツールを使って、会社や団体が使える健康状態自己申告書を作りました。お客さんを増やす対策である一方、会社や団体のニーズに合わせて社会を支援することも目的でした。
Tsaitungの@netdoorfreshという会社が高級レストランと農業者とのネットワークを作っています。
コロナウィルスの影響で、外食する人が減りました。農業者が触接お客さんのために食べ物を収集し、発送するためのサービスを開発しました。LINEを利用し、素早くに注文をうけ、配達できるサービスで、新しいビジネスモデルも作りました。それは会社のエコシステムにとって、非常にいい影響をもたらすビジネスとして、継続しています。
次に、彼はマインドセットについても話しました。
あなたの会社は当然あなたと同一の存在として捉えられるので、まず、起業家本人のマインドセットが大事になります。
ビジネス開発に関して、以下の三つのポイントがとても重要です。
- システム
ビジネスは、突然のことではなく、企画とプランニングが必要です。ビジネスを開発するためにお客さんとサプライヤーとの関係を深める必要もあります。
開発する方法としては、情報を部分的に提供します。お客さんとのミーティングはお客さんを知るために重要です。ミーティング中にしっかりお客さんに質問をしたり、お客さんのニーズを把握します。情報は、以下の割合をおすすめします。
20%の情報をミーティング前に提供する
60%の情報をミーティング中に提供する
20%の情報をミーティング後に提供する
発表のために、発表資料は複数あった方がいいです。発表する相手によって発表資料を工夫します。スライドはできれば画像を多めに、字を少な目にします。文章は資料に乗せればいいです。
Wu氏にとって、以下のツールがとても役に立っています。
PandaDoc(HP)
オンライン契約書に使えます。
Mixmax(HP)
時間管理、コールや会議のスケジューリングが簡単にできるGメールの拡張機能。
Notion(HP)
オンラインの情報を集める、共有するために便利なサービスです。
- 仕事環境
リモートワークの時代において、自分の仕事環境および見た目がさらに大事です。
気楽に仕事ができる環境を作り、自分も家から仕事していてもプロフェッショナルに見えるように力を入れることが重要です。見た目によって自信も上がります。
- ネットワーキング
ネットワーキングはスタートアップにとって、もっとも重要なことです。コミュニケーションするときは、明確に、はっきりと自分の意見やお願いしたいことをいうのが大事です。
曖昧な表現や話し方を避けるようにしましょう。
否定されることを恐れないようにしましょう。
時間管理の重要性を強調し、Peter F Drucker氏の言葉を紹介しました。
時間を管理することができなければ、他のことも管理できません、という言葉です。新しい日常において、時間管理が重要です。以下のように、自分の時間を分けるようにするといいでしょう。
20%→打ち合わせ
60%→システム(企画など)
20%→考える時間
具体的なアドバイスが豊かなセッションでした。皆さんもぜひ、時間管理をしっかりしていきましょう!