AMP第3回地域セッション開催レポート(IH-jakarta)
13 11月 2021 - hubkyoto

アジア太平洋起業家育成プログラム(AMP)

――インパクトハブジャカルタが3回目の地域セッションを主催

インパクトハブは、世界50以上の国、100以上の都市に拠点を持ち、社会的インパクトをもたらすことを目指す起(企)業家が集まるコーワーキングスペース・コミュニティです。

 その中で、アジア太平洋の10のインパクトハブ(京都、ダッカ、クアラルンプール、上海、台北、プノンペン、マニラ、ワイカト、ジャカルタ、ヤンゴン)が共同して、2021年7月より、起業家育成プログラム“Accelerate Membership”を、Bank of America/Shopifyとの連携で、提供しています。参加起業家は、アジア太平洋10か国で100名を数えます。

プログラムの詳細はこちらから。


Impact Hub Asia Pacific Accelerate Membership

第3回の地域セッション(Regional Session)

発表者: Joe Contini, Head of Product, Xendit (企画:Impact Hub Jakarta)

2021年8月18日


4回目の地域セッションの内容は「企業のデジタル化」について。

発表者の講演のあとに起業家たちの疑問に答える質疑応答がありました。

セッション開始直後、アイスブレイクとして参加者の自己紹介が始まり、本プログラムの参加者の事業を共有する時間となりました。

発表者のContini氏はアメリカで生まれ育ち、インドネシアに6年間滞在していました。現在はシンガポールに住んでいます。しばらく公的機関で働いてから新興企業に関心を持ちはじめ、そちらの方に移動しました。Xenditという会計関係の会社に入社し、海外プロダクトデザインやサービス提供などを担当してきました。Xenditは主にインドネシアとフィリピンで営業しています。この数年で社員が20名から600名に拡大し、東南アジアで活動を広げている会社です。

Xenditのウェブサイトはこちら

パンデミックを生き残ること

彼はパンデミックの状況下で営業することをレーシングに例えました。

パンデミックとは他の競合他社の先を行く機会である。しかし、以前の状態より成功するためにはさらに能力と戦略が必要になる、と語りました。

Contini氏からアドバイスが3つありました。

1)できることを増やす

様々な状況に合わせて対応できるように個人でスキルアップし、会社としてできることを増やすようにすること。柔軟に対応できることが重要である。

2)人が欲しいものを作る

Netflixの事例を紹介しました。Netflixは人が家で映画をみたいというニーズを把握し、最初はDVDを提供するサービスを行ったが、もっと便利に同じサービスを提供できないかという思いで、映画のストリーミングサービスを提供しはじめた。根本的なニーズを把握し、効果的にそのニーズに応えるサービスや商品を提供することが会社の成功につながる。

3)うまくいっていることに注目

上手くいっていることに集中し、やりすぎないようにする。会社の目標をシンプルにし、市場で必要とされていることを把握することや、ストリームライン(合理化)することが重要である。

次にインドネシアの起業のケーススタディーを紹介されました。

Sukkha Citta

インドネシアにあるハイエンドファッションの会社。パンデミックの影響で店舗での営業が難しくなり、オンライン営業が主になった。商品購入の決め手となる第一印象はお店の雰囲気ではなく、商品のパッケージングである。インスタグラムで自慢できるおしゃれなパッケージングになっている。またローカルな企業を応援したお客さんを対象に、ブランド品のマスクも製作しはじめた。

Du Anyam 

田舎に暮らしている女性の枝編み細工品を支援している。パンデミックの前はお店での販売が多かったが、パンデミックに対応しEコマースに力をいれた。ウェブサイトでは商品が作られた場所や支援する活動などから検索ができ、お客さんがお金を何に使いたいか細かに、しかし容易に判断できるように作られている。ウェブサイトを通して、支援している女性の教育プログラムや研修なども行っている。

デジタル化について

デジタル化のためのプラットフォームやアプリは数多くあります。

ほとんどが無料、または無料で使える機能があります。

他アプリと連携しているサービスもあるので、それら連携性があるものを使うことが便利。Zapierはオススメのサービスとして取り上げられました。

デジタル化を進めるためのツール選びは重要です。

ツールは数多くあるので、どれを使うかを決める前に、まず自分のニーズを把握する必要があります。優先したいことを決めて、それによってアプリやツールを選択するのが良いです。

質疑応答

Q:オンラインマーケティングを利用し、どうやってお客さんを増やせるか?

A:お客さんの「数」ではなく、「質」を目指す。1000人のお客さんよりあなたが提供している商品・サービスに愛情をもち、会社のことをしっかりわかっている100人のお客さんを目指すべき。幅広くマーケティングするよりピンポイントにした方が効果的である。例えば、インフルエンサーにサンプルなどを提供し、広報してもらうなど。

Q:コロナの前はワークショップやツアーなどをしていたが、コロナでそれができなくなり、会社のデジタル化を目指しているが体験型で何ができるか迷っている。

A:様々なことができる。オンラインでのワークショッップなどはできる。お客さんのことを考えて、適切なやり方を考えるといい。

Q:インターネットの接続がよくない場合、どうすればいい?

A:提供しているものによる。研修などの動画だったら短い動画を作る。また、スマホがない場所であればTextitなどを利用し、SMSでコミュニケーションする。

Q: バイクで女性のエンパワーメントを目指している。普段はバイクのレッスンや研修などを行い、コミュニティ感を作り出していたが、オンラインでのコミュニティはどう作ればよいのか?コミュニティ作るためのアプリを立ち上げた方がいいのか?

A:オンラインのコミュニティ作りは難しい。1からアプリを作ることはお金がかかるので、お勧めしない。他に使えるアプリはすでにたくさんあるのでそのアプリを使ってみて、足りないものを考えるのがよい。FacebookやDiscord等の他に、最近はGathertownなど、バーチャルな空間が作れるコミュニティ・アプリもあるそうだ。