『聞きたい!この人のお話』 vol.8 〜原田岳さん(株式会社DADA)
26 7月 2019 - impact hub kyoto

コミュニティハウス「アオイエ」を運営する株式会社DADAの執行役員Chief Community Officer 兼 関西統括として多忙な日々を送る原田岳さん。アオイエに加えて、オンラインサロン「MOSH」、社会課題に向き合う学生団体を対象とした応援型コンペティション「NEW AGE KYOTO」など様々な活動も立ち上げてきました。多彩な活動に共通するのは、「誰もが挑戦できる社会を作りたい」という想い。京都に強い可能性を感じると語る彼に、現在の取り組みとその中で感じることを話していただきました。

 

DADAでの原田さんのお仕事について教えていただけますか?

DADAは、アオイエというコミュニティハウスを運営しています。2017年9月に法人化したタイミングで代表に誘われて入社して、去年5月に京都に関西統括として移住してきました。僕は福岡出身で、学生時代は関東だったので、関西と縁があるわけではないのですが。市場をつくるのが仕事です。切り込み隊長のような感じですかね。今、アオイエは全国に15軒あって、関西には京都に3軒、大阪に1軒があります。アオイエを通して、若者がもっとチャレンジできる社会、環境を作りたいなと思っています。

 

アオイエには、どういう人が入居されているんですか?

入居している人の割合で言うと、全体では学生と若手の社会人が半分ずつですが、京都では学生が7割、社会人が3割という感じです。DADAが何をやろうとしているかを理解している人、そして「想い」がある人に入居してもらっています。何か大きな夢がないといけないわけではありませんが、「前に進もう」という想いがあることが大切だと思っています。ですので、入居前に面接を必ず2回させてもらっています。

アオイエの中に生まれるコミュニティをとても大切にしています。どの物件にどういう人が入居したら面白くなりそうかという点からも考えます。入居した人から相談があればサポートもします。そういう事なら、あの人が詳しいよと紹介したり。

 

原田さんが京都に来られて1年ほどですね。京都の状況をどう感じておられますか?

京都は思考力が強い人が多い一方で、行動に移す人が少ないような気がします。京都の気質もあるのでしょうが、挑戦するための情報や機会が東京や大阪に比べて少ないことも原因かもしれません。例えば、学生がインターンに参加できる機会は東京の1/15というデータもあります。京都の中で、学生同士もコミュニティが分断されていますし、社会人と学生も繋がりはもっと少ない。コミュニティ同士の繋がりが生まれて、京都全体で盛り上がっていけばいいなと思います。

 

バスハウスというプロジェクトにも取り組んでおられますね。

今、東京で3台のバスハウスがあります。誰でも挑戦できる社会を実現するためには、いろいろな格差をなくす必要がある。住みながら移動できる家が実現できたら、都会までの距離とか地域間の格差が減らせるんじゃないかと。今は実証実験の段階です。自動運転が実用化されたら、もっと色々な可能性が出てくると思います。

 

 

 

原田さんが発起人として立ち上げた「MOSH」について教えてください。

京都の大学に通っている、もしくは、京都在住の大学生のオンライン・サロンです。親の状況とか経済的な理由で、アオイエに入りたくても入れない人もいるということに気がついて立ち上げました。自分も同じような境遇だったので、過去の自分を救いたいなという気持ちもあります。

(MOSH立ち上げの理由は、原田さんのnoteに詳しく書かれています

 

MOSHを始めてみてどうですか?

今、30人ほどのメンバーがいます。会費は月980円に設定していますが、この金額でも、なかなか払えない人もいる。コミュニティに対してお金を払うということの価値がまだ伝わっていないのかなと思います。最近、地域の中でお金が回らずに外に出てしまっていること、コミュニティが希薄化していることを感じています。地域の中で助け合う社会、お金が介在しない社会というものを作るにはどうしたらいいかを考えています。

 

New Age Kyotoという企画も進行中ですね。

京都には社会課題に取り組む活動をしている学生団体がたくさんありますが、本気で取り組みたいと思う学生に対するサポートが足りなくて、意欲のある人が京都を離れています。そこで、社会課題を解決しようとする団体に所属する個人を応援する企画として「New Age Kyoto」を立ち上げました。選考をさせてもらって、残った人にはBeyond Kyotoというイベントの中で、300人くらいのお客さんの前でプレゼンバトルをしてもらいます。優勝者には賞金も渡します。ただ、プレゼンに登壇してもらうことは手段でしかなくて、この企画は応募者を全員応援するんです。それぞれに適したサポートをしていきます。27件の応募があって、熱いことになってます。

 

原田さんのこれからの展望を教えてください。

関西でアオイエを増やしたいです。ただ、増えすぎると、コミュニティに目が行き届かなくなるから、20軒を目標にと思っています。他にも色々なことを進めていますが、やりたいことは「誰でも挑戦できる社会」を作ること。京都という街には、ものすごくポテンシャルがあるなと感じています。

 

お話を伺って、若い世代のコミュニティが繋がって京都全体が活性化していきそうだなとワクワクします。本日はありがとうございました。