Active Book Dialogue(以下、ABD)という新しい読書法を使って、一人ではなかなか読めないようなビジネス書を、グループで力を合わせて読破していく読書会を毎週火曜日の夜に開催しています。
約3時間で1冊の本が読破できて、さらに全員で深い感想共有までできてしまうので、大変面白い読書会です。
初めて実施した4月11日(火)は、TEDxのスピーチで話題沸騰の植松努さんの「好奇心を“天職”に変える空想教室」を読みました。
2回目となる4月18日(火)は、システム思考の入門書である、小田理一郎さん・枝廣淳子さんの「なぜあのひとの解決策はいつもうまくいくのか? 」を。
3回目は、4月25日(火)は、アパルトヘイトなど、難しい世界中の紛争解決に取り組んできたアダム・カヘン氏の「手ごわい問題は対話で解決する」を読みました。
4月25日(火)の読書会を例にご紹介しましょう。
まずは参加者同士で自己紹介をしてから、1冊の本を裁断します。
そして集まった8人で分担して読む時間をとります。
各自がその場で本を読んで、本の内容をまとめ、壁に並べます。
8人が交互に自分の読んでまとめた内容について短い時間で紹介していきます。
ここまで約1時間半で、1冊分の本の要約を全員が理解できた状態になっています。
そこから、参加者の中から疑問点や問いを出しあって、この本をテーマに対話を行います。
こういったプロセスによって、短時間で1冊の本が読破できて、さらに参加者全員が共通言語をもてるので、
これを基盤にした深い議論が可能になります。
参加してくれた大森雄貴さんのコメントをご紹介します。
一冊の本を分かち合うことで共通理解、共通言語が仲間内で生まれたり、一人ひとりのパートの要旨を押さえる力を培うことにつながったりと、なかなか得られるものの多い時間を過ごしたように思います。
個人的には、オープン・スペース・テクノロジーという手法を開発したハリソン・オーエン氏の思想と、自分が整理整頓・片づけを本気で取り組む背景が近いことを再発見できたことが嬉しい。
詳しくは、http://www.abd-abd.com にて、無料マニュアルがダウンロードできます。
Impact Hub Kyoto では、毎週火曜日に読書会を開催しておりますので、詳しくはお問い合わせください。
京都らしい伝統技術を使って、いかに革新的な製品を生み出すか?
それには、北海道・旭川の「君の椅子プロジェクト」という大変ユニークな事例にヒントがあるだろうと考え、
2017年4月23日、「君の椅子プロジェクト」発起人である磯田憲一さん(北海道文化財団)と
北欧デザインの第一人者である島崎信さん、デンマーク大使館・投資部の中島健祐さんをお招きして、
その活動から学ぼうというイベントを開催しました。
この「君の椅子プロジェクト」とは、北海道の日本有数の家具の製作技術を誇る旭川の街の潜在力を活かして、
子どもが誕生した時に、地元の家具職人とデザイナーが作ったハンドメイドの椅子を贈ることで、新たな産業と地域の
コミュニティを創出した取り組みです。
▲日本の有名なデザイナーと旭川の家具職人が作った、手づくりの椅子
▲1つ1つの椅子の製作ストーリーや、子どもたちのストーリーについて語る磯田さん
この事例の面白さは、感動的なだけではなく、旭川の町が誇る家具製作技術を使って、世界に一つだけの手づくり椅子を作ることで、
「新しい生命」、「新しい市民」の誕生を暖かく見つめ支えあうという、地域のものづくり産業や地域コミュニティ再生の
取り組み事例でもあり、サントリーの地域文化賞を受賞しました。
▲左から、磯田さん、島崎さん、中島さん
▲3.11に生まれた子どもたちに椅子を届ける取り組み
そして、この「君の椅子プロジェクト」は、3.11の東北大震災で生まれた子どもたちや親の心を癒します。
▲デンマーク大使館・投資部の中島さんは、デンマークのイノベーションの事例をご紹介いただきました
- デンマークでは、利害関係者すべて巻き込む合意形成が行われ、最後の1、2人も説得する
- 何か1つ物を買うときにも、それが環境にどのように影響を与えるか、という環境知性がある
- この事業が、世界にどう関わるか、というグローバルな視点がある
- 小さい村でも、ビジネス視点をもって運営されている
-
デンマークはヨーロッパで一番デジタル化が進んでいる などでした。
家具関係者、ものづくり関係のプロデューサー、工芸関係などの行政関係者など、20名ほどの方に
参加いただき、講演終了後も、車座になって、熱い議論が交わされていました。
京都工芸繊維大学の内田哲人さんがコメントを寄せていただきました。
ご縁があり、日本の北欧デザインの先駆者でいらっしゃる島崎信さんのコーディネートのもと、北海道”君の椅子 プロジェクト”の磯田憲一さん、デンマーク大使館の中島健祐さんのお話を伺うことができました。
お話を聞きながら、途中辛いことも思い出さなければならず、涙腺がゆるむこともありました。
ですが、以前から興味があったプロジェクトや動向の”今”を知ることができたり、お三方と直接やりとりができたのは非常に良い機会でした。
そして、最後の島崎さんの会場への躊躇のない投げかけをされながらの締めは、とても気持ちが良かったです。
『聞きたい!この人のお話』 Vol.3 ~ 宮迫憲彦さん
「本からアクションが生まれていく。そんな新しい本屋さんを京都で創っていきたい。」
Apr.5.2017
第三回目に登場するのは、Impact Hub Kyoto (以下、HUB)の一角でこだわりのあるセレクト本屋さん「Montag Booksellers」を営む宮迫憲彦さんです。