原発事故や環境問題をはじめ、社会に対して何となく感じる違和感、不安感。
働くこと、物を作り出すこと、それを誰かと共有すること。
そういった日々の暮らしのなかにある、ささやかな人間の小さな悦びが、
なぜか感じにくくなっているのが現代の私たちではないでしょうか。
そんな今の時代に求められる新しい社会や暮らしのあり方を考えるならば、
鞍田崇さんと探求してみたいと思い、
今回特別に京都にお招きできる機会をつくることができました。
「民藝」から探求する、21世紀の社会と暮らしの「次」
鞍田さんは、『民藝のインティマシー』『 <民藝> のレッスン』という本を書いている哲学者です。
日常と感性をキーワードとして哲学研究に取り組み、環境に配慮した社会や暮らしのあり方を追求されています。
ここ数年、「民藝」に再び注目が広がってきています。「民藝」は20世紀初頭に柳宗悦らが提唱した、無名の職人が手がけた生活道具に注目する運動です。それは暮らしのあり方や日本の社会・文化を問い直す運動でもありました。
いま「民藝」を問うことは、21世紀に求められている社会と暮らしの「次」を問うことでもあります。鞍田さんとともに、「暮らし」「社会」というテーマを改めて考えてみましょう。
■ ゲストプロフィール
鞍田 崇 KURATA Takashi
1970年生まれ 哲学者
明治大学理工学部准教授
日常と感性をキーワードとして哲学研究に取り組み、環境に配慮した社会や暮
らしのあり方を追求している。建築や工芸、デザイン・アートなど、さまざまな
分野にまたがるトークを多数企画。主なレクチャーシリーズとしては「人と自
然:環境思想セミナー」(総合地球環境学研究所/2007-2010)、「<民藝>の
レッスン」(MEDIA SHOP/2012-14)、「可能性の空間」(京都精華大学
/2012-14)など。著作に『民藝のインティマシー』(明治大学出版会/2015)
『生活工芸の時代』(新潮社/2014)『人間科学としての地球環境学』(京都通
信社/2013)『 <民藝> のレッスン』(フィルムアート社/2012)『焼畑の環境
学』(思文閣出版/2011)『地球環境学事典』(弘文堂/2011)など、訳書に
『雰囲気の美学』(晃洋書房/2006)『たべることは つながること』(福音館
書店/2009)など、執筆活動も。
■ 対談者プロフィール
熊倉 敬聡
京都造形芸術大学教授。1980 年代はフランス文学、特に「ステファヌ・マラルメの〈経済学〉」を研究。1990年代は、コンテンポラリー・アートやダンスに関する研究・評論、企画、実践等を行う。2000年代は、教育現場の変革の作業を展開し、大学を地域・社会へと開く新しい学び場「三田の家」の立ち上げ・運営に関わる。現在は21世紀的精神性の研究・実践に従事するとともに、新たな社会変革の拠点Impact Hub Kyotoの運営に携わる。主な著作に『瞑想とギフトエコノミー』、『汎瞑想』、『美学特殊C』、『脱芸術/脱資本主義論』。
■ 日時
2015年11月28日(土)18:00~20:00
■ 場所
Impact Hub Kyoto
■ スケジュール
17:30 会場
18:00~19:00 鞍田崇さんのお話
19:00~20:00 対談、会場との質疑応答
■ 参加費
一般 1500円
HUBメンバーと学生 1000円
■ 申込み・お問い合わせ
企画・主催/Impact Hub Kyoto