開催レポート【つなぐ花背 むすぶ花背 つくる花背~ トークイベント 花背への誘い~花背・別所・広河原の歴史的源泉と里山の生態系~】
12 1月 2022 - hubkyoto

2021年10月3日土曜日。Impact Hub Kyoto2階スペースにて「つくるコミュニティ京都」プロジェクトイベント【つなぐ花背 むすぶ花背 つくる花背~ トークイベント 花背への誘い~花背・別所・広河原の歴史的源泉と里山の生態系~】(主催:一般社団法人ImpactHubKyoto、共創ラボCO-LAB Kyoto、花背空間活用協議会。協力:左京北部山間地域自治連絡協議会、OKU 京都ねっと)が開催されました。

本プログラムは京都府令和3年度地域交響プロジェクトの一環として開催されています。

京都府の各地域にフォーカスを当てたイベントを開催します。

今回のイベントは、花背で産出されるちまき笹に詳しい研究者、ちまき笹を製品化し文化を伝えているグループの代表や、ちまき笹を収穫販売することで地域に貢献したいと考えている地元の中学生がプレゼンターとして登壇されました。

参加人数が30名にも上る参加者が来られ、会場は熱気に包まれました。

第一部「花背への誘いー地域をめぐってー」では、京都府公立大学法人理事長、京都府立京都学・歴彩館長を務められる金田章裕さんが登壇し、京都花背の文化的資源や歴史に触れた講演をされました。

京都花背の歴史について平安時代の世から現代まで、特産や知名度を歴史資料から読み解いた講演では、花背の地域資源がいかに豊富なものなのかをお話しいただきました。

第2部「花背の未来について語り合う」では、花背のちまき笹にフォーカスして、花背の未来について花背で活動している方々のプレゼンが行われました。

最初にプレゼンしたのは地元花背の学校に通っている中学生たち。

彼らはTeam Tell Hanase(井関剣慎(花背小中学校8年)川勝杏稟(花背小中学校7年)宮川千明希(御池中学校2年))というグループ名で地元花背のちまき笹を保全するための活動を始めて継続的に活動しています。

花背のちまき笹の知名度を上げるべく様々な広報活動や販売活動についてプレゼンしていました。

黄色でおそろいのジャケットを着た中学生たちの中学生らしからぬ活動内容に会場からも驚きの声が上がりました。

二人目は京都大学大学院で京都大学大学院地球環境学堂景観生態保全論分野助教、農学研究科環境デザイン学分野助教として、教鞭をとられている貫名涼先生より花背の笹についての講演が行われました。

花背のちまき笹がなぜ絶滅しかかっているのか。その理由は貫名先生によると「2000年代に起こった笹の一斉開花現象」で減少したちまき笹が回復できなかったから。

ちまき笹が一時的にでも、産業として成り立たなくなることは文化の継承に対して大きな問題と貫名先生は言う。ちまき笹を保護するために様々な同席していた花背関係者は熱心にメモを取るなどして、大変熱の入った講演となりました。

最後に講演されたのは地元花背でちまき笹の製品化等を行っているグループの代表藤井優三さんでした。

講演は地元花背で生まれ育ったという藤井さんの子ども時代にちまき笹がどれほど生活に密着していたのか、から始まりました。

ちまき笹が厄除けとして使われていた事例や歴史、実際の販売経路、ちまき笹保護の現状などちまき笹について非常に詳しく講演されました。

質問時間では、ファシリテーターの塩瀬隆之先生による質問が行われ、花背の現状について深堀する時間が設けられました。

Team Tell Hanaseの中学生たちがあたふたしながら登壇者に質問するなど、終始和やかな雰囲気のイベントとなりました。